2024年2月3日  第106回上川北部検査談話会

名寄市立総合病院  
吉田 英樹 記

今回は凝固機能検査をテーマに会員発表を企画し、さらに積水メディカル小泉氏を講師に招き講演いただきました。
松前技師はAPTT延長症例にフォーカスした演題でした。APTTの延長原因には内因系凝固因子活性低下、抗リン脂質抗体症候群、共通系凝固因子活性低下、肝障害、ビタミンK欠乏症など様々な要因があります。実際に経験した症例をもとに、様々な要因を追及する過程をわかりやすく提示してくれました。当直業務等で、血液担当以外の技師が凝固系検査のパニック値に遭遇した際に「パニック値です」とただ報告するだけでなく、今回報告された症例のように異常値となった要因を推定することで、一歩進んだ結果報告ができると思われました。
小泉氏の講演は異常データに遭遇したときに対応すべき問題について詳細に解説していただきました。松前技師の演題内容にも関連して解説してくださり大変分かりやすく非常に勉強になりました。採血状況や遠心条件、検体の状態などのたくさんの要因が検査値の誤報告につながります。凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス要旨が提示されていますが、実際にコンセンサスが遵守されていない実情もあり、自施設の条件を再確認する良い機会になりました。

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2024年02月07日