2024年11月13日 臨床免疫・化学談話会

旭川厚生病院 上田 晋也 記

 久しぶりの対面での講習会となりました。今回は「ラテックス試薬開発におけるメーカーの工夫」と題して開催しました。
 従来、専用機でしか測定できなかった項目がラテックス試薬の発売により汎用機でも測定可能となりました。汎用試薬の利点としては、専用機器の購入・維持管理が無く試薬費用そのものも安いことが挙げられます。現在はどこの病院でも経営が悪化しているため経費削減と言われていますが、臨床の要望にはできる限り応えていきたいとの考えもあります。当院でも、ラテックス試薬の項目を院内測定に取り入れることにより臨床から高評価を頂いています。しかし、検査技師としては専用機との性能の差が気になるところです。そこでラテックス試薬の開発から学ぶことにより性能を理解してもらおうと思い開催しました。
 内容としては、基礎的な内容から始まり、ラテックス試薬の利点・欠点について、最後にラテックス試薬と非特異反応の関係について学びました。改良を繰り返して以前よりはかなり良くなってきましたが、非特異反応を完全になくすことは難しい事。また、非特異反応が出た時の対処方法などについても知ることができました。
 今後、ラテックス試薬以外でも汎用機で測定できる項目が開発・販売されてくると思います。その中でもより良い試薬を選択するためにも測定方法を理解することが必要と考えます。

談話会代表者:上田 晋也

2024年11月26日