2025年10月18日 上川北部談話会 講演会
上川北部検査談話会 「長谷川式認知症スケール(HDS-R)について」 に参加して
士別市立病院 臨床検査科 布施 和史
上川北部検査談話会は役員の担い手不足によりしばらく休止状態でしたが、この度、道北臨床検査技師会の後押しで講演会のテーマを「認知症検査」に決定し、講師の斡旋を受けて開催に至りました。
講演会は2部構成ではじめに日本医療大学 林 泰弘 技師より「日本における認知症の現状や認知症の定義と検査」などの講義を受け、次に認知症検査の第一線でご活躍の「はらだ内科内視鏡検診クリニック 工藤 優 技師から認知症検査の実際について講義と実技が行われました。
講義では、認知症診断における神経心理検査は長谷川式簡易知能スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)はスクリーニング検査に位置付けられ、これ以外の詳細な神経心理検査や血液検査、脳波検査、画像検査などで総合的に診断されると説明。
検査を実施している職種は検査技師以外に医師、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、看護師など様々であるが、「正しい評価手順の標準化やトレーニングが必須である」と述べ、「臨床検査技師の腕の見せ所である」と強調された。
実技では、HDS-Rと MMSEがミックスされた評価表に基づき、実際に検査の様子を再現し、患者さんへの対応のポイントや会話の間合いの取り方、実施場所の環境について、点数の付け方などを詳しく解説。参加者から多くの質問が寄せられ盛況に終了した。
当院でも長谷川式認知症スケールの検査の要望があり、タイムリーな講演となりました。

